先日、マレーシア・ペナンの政府系教育機関 JMTi (Japan – Malaysia Technical Institut) から公式な招待を受けて、日本のオフショアリング事情について講演しました。
マレーシアの人口は約3,000万人、規模感はベトナムのおよそ3分の1だと覚えておくとよいでしょう。
クアラルンプール 180万人
ペナン 160万人
ベトナム人口 9,300万人
ハノイ 760万人
ホーチミン 840万人
ダナン 135万人
人口規模は小さいものの、範囲を限定すればマレーシアも日本にとって有力なIT人材供給源になるとオフショア大學は分析します。
従来のチャイナプラスワン(China plus one)は、リスク分散の観点が強調されてきました。すなわち、カントリーリスクのある中国の代替地を開拓して、日本企業の中国依存度を下げることが主目的です。
よって、チャイナプラスワンは、オフショア開発の仕事を奪い合う「ゼロサム・ゲーム」となりがちです。実際、ベトナムと中国が互いに連携して、オフショア開発の付加価値を高めて日本企業に貢献した、という話はほとんど耳にしません。
その一方で、マレーシアの存在は、日本企業の「オフショア開発」をパイを奪い合うゼロサム・ゲームから、新たな付加価値を創造するプラスサム・ゲームに転換させる可能性を感じさせてくれます。
今日も、マレーシア国とペナンに関するクイズを出題します。
■ 問いかけ
<問1>18世紀後半、ペナンは英国に植民地化されていた時期があります。ここで、ペナンが香港と似たような境遇であったと仮定します。これは日本のオフショア開発にどう影響すると思いますか?
<問2>ペナンは、マレーシア有数の国際リゾート地としても有名です。同じような特徴を持つフィリピン・セブ島やベトナム・ダナンと比較して、オフショア受託地域としてのペナンの可能性を分析しなさい。
<問3>ペナンには意外にたくさんの外資系工場が存在します。なぜペナンは、多国籍企業の一大製造拠点として発展できたのでしょうか。その成功要因を分析しなさい。
*Hints: オフショア大學公式メールマガジンに詳細な補足説明が追記されています。