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オフショア開発アセスメント活用ガイド

オフショア開発アセスメントとは、プロジェクトで発生した問題の根本原因分析やリスク要因分析について、プロジェクト利害関係者ではない第三者から意見や助言をもらうことです。組織横断的なオフショア開発推進ノウハウを取得するためにもオフショア開発アセスメントは役立ちます。さらに、なかなか日本側に本音を明かしてくれない海外パートナーの実態を明らかにする効果も期待できます。

オフショア開発プロジェクトが終了した後、自社で検討した根本原因分析や改善案が不十分だと感じることがあるかもしれません。オフショア開発アセスメントを受けることで、社内では気づかなかった別の課題が見つかることがよくあります。

もし、第三者から同じような分析結果や改善提案を受けたとしても、その後の問題解決アプローチに対する理解が深まります。通常、第三者からプロジェクト改善の提案を受けると、説得力はより増します。特に厳しい問題指摘が続く場合、社員の言葉には耳を傾けない上位マネジメントも、第三者の言葉には素直に耳を傾ける傾向があります。

プロジェクトの進行状況や顧客事情によっては、なるべく早くプロセス改善・ツール規約類の整備に着手した方がよいこともあります。とはいえ、プロジェクト現場には職人の意地とプライドがあります。そのため、現場の了解を取り入れず、不用意にオフショア開発アセスメントを受けると、不要な混乱を招く恐れがあります。

イメージ:オフショア開発アセスメント

経営陣にも、第三者を招いたオフショア開発アセスメントに拒絶反応を示す者がいます。上から「まずは社員だけでオフショア開発を成功させなさい。余計な支出は避けよ」と指示されたら、なかなかオフショア開発アセスメントを受ける雰囲気にはなりません。

さらに、現場ではこんな光景もよく見られます。

現在の海外パートナーとは相性があわない、何度注意しても同じ失敗を繰り返すためそろそろ別のオフショアパートナーを探したい、オフショア委託先の海外子会社が甘えていて主体的な改善提案がほとんどない、社長が勝手に契約したオフショアパートナーを渋々使っているけど本当は国内ニアショア会社を使いたい……など。

このような状況を打破する第一歩にも、オフショア開発アセスメントは使えます。なぜなら、当事者だと決して言えないような否定的な意見を、外部の専門家に代弁してもらうことができるからです。

なぜ、オフショア開発アセスメントが必要なのですか?

プロジェクト現場やPMOは自らの体験をもとに改善活動を計画します。しかし、第三者的な専門家からも意見や参考情報を得られるようになれば、より客観的な分析に基づいて今後の改善や改革を推進していくことができます。

オフショア開発アセスメントを受ける第三者や専門機関の選び方

オフショア開発アセスメントの必要性を感じたら、まずは社内の有識者にあたります。近年は、オフショアPMOに相当する組織横断的な推進担当部署を設置する会社が増えています。例えば、「海外パートナー側の人材流動が激しく、知識移転しても現地にノウハウが蓄積しない」など、改善したい観点が具体化されている場合は、PMOにピンポイントで支援を仰ぐ方法があります。

この他、取引実績のある協力会社(大手SI企業、コンサルティング会社など)にオフショア開発アセスメントを依頼する方法もあります。最近はコンサルティング部門を抱える会社が増えているので、既存顧客からオフショア開発の悩み相談があれば、彼らは喜んで耳を傾けてくることでしょう。大手企業にアセスメントを依頼すれば、豊富な社内事例を武器に有益な分析レポートを提供してくれる可能性があります。

ただし、1つだけ注意しなくてはいけないことがあります。一般に、ソフトウェア開発会社は短期・小規模のコンサルティング(アセスメント)では、ほとんど儲かりません。よって、オフショア開発アセスメントを通じて、「いまのオフショア発注を減らして、当社に仕事を回してほしい」とさり気なく営業アプローチしてくるケースは少なくありません。オフショア開発アセスメントでせっかく有意義な問題分析レポートが得られたとしても、次にやるべき施策が「当社に仕事を回して」では全く参考になりません。

イメージ:オフショア開発専門家選定

さらに、あなたが取引実績のある協力会社にオフショア開発アセスメントを依頼したことが海外パートナーに漏れてしまったら、海外パートナーの不安を煽る恐れがあります。オフショア開発では「信頼関係」が何よりも大切なのに、自ら信頼崩壊のリスクを作ってしまうことになってしまいます。

こうしたリスクを避けるために、コンサルティング専業の専門機関にオフショア開発アセスメントを依頼する方法があります。コンサル専業会社なら、「うちに開発案件を回して」とは決して言わないため、既存の開発パートナーから反発を食らうリスクを軽減することができます。特に多くの外国人技術者をオンサイトに配置する組織では、第三者的な立場を強調することで現場の本音を効果的に拾い上げることができるでしょう。

世の中には、オフショア開発アセスメントを実施する優れた能力の持ち主が大勢います。日本の商慣習を熟知した外国人バイリンガルPMやブリッジSE経験者も大勢います。ところが、残念ながら、彼らの多くは既存の開発会社・オフショアパートナーに属しています。よって、あなたがコンサル専業の専門機関を見つけたとしても、実際に相談に乗ってくれる「真の専門家」は案外見つからないものです。

あなたの人脈を通じて、大手企業を早期退職したオフショア開発を熟知するベテランPM経験者を調達することも有効な手段の1つです。外国人エンジニアの紹介・派遣を得意とする手配師も、時には有益な助言を与えてくれます。人脈を通じてアセスメント実施者を探す場合は、相手が豊富な他社事例を持っているかどうかに着目して判断するとよいでしょう。

オフショア開発アセスメントを受ける方法

図:オフショア開発アセスメントの流れ

オフショア開発アセスメントを受けた後

オフショア開発アセスメントを受けたら、PMOを通じて経営陣に報告して、今後の問題再発防止やパートナー/アライアンス戦略策定に役立てます。もし経営陣にとって耳の痛い提言があるなら、わざと第三者に代弁させる手もあります。同じ内容でも、部下が話すより外部専門家が話したほうが効果的にプレゼンできることも珍しくありません。大事なことは、アセスメントを受けた後にどう行動するかです。

また、オフショア開発アセスメントの結果、引き続き外部専門機関を活用した改善活動が効果的だと判断されることがあります。この場合は、PMO主体のオフショア開発改善タスクフォースを結成して、アセスメントを引き継ぐのが一般的です。その後の改善範囲は多岐にわたるため、ここですべてを記載することはできませんが、凡その目安として「最長1年間」のタスクフォース活動を見込んでおくとよいでしょう。

オフショア大學のアセスメントを希望される方へ

オフショア大學のオフショア開発アセスメントを受ければ、品質劣化や手戻り多発のような重大問題について、原因分析や課題解決に関する実践的な助言や解決アプローチが得られます

次のような悩みを抱える組織やプロジェクトにお勧めします

アセスメント実施期間と料金

標準版オフショア開発アセスメント(1拠点)
  • ・期間:3日間(月~金曜日9:00-17:30、原則として3日間連続)
  • ・費用:150万円(消費税抜、旅費交通費は別途精算)
  • ・アセスメント実施後、5営業日後にレポート提出
完全版オフショア開発アセスメント(国内1拠点、海外1拠点)
  • ・実施対象:国内1拠点+海外委託先(子会社)1拠点のアセスメント
  • ・期間:国内3日間+海外2日間=合計5日間
  • ・費用:250万円(消費税抜、旅費交通費は別途精算)
  • ・アセスメント実施後、5営業日後にレポート提出

アセスメント実施内容

初日 2日目・3日目(海外拠点アセスメントはこれらを1日間に短縮して実施)
  • ・トップ面談(30分)
  • ・ガイダンス(30分)
  • ・オフショア開発実践セミナー(5時間)
  • ・受講者によるアセスメントシート記入
  • ・受講者とのアセスメント面談
  • ・ドキュメント/規約/ガバナンスのアセスメント

主なアセスメント対象項目

  • ・内外製分析
  • ・開発プロセス
  • ・メトリクス
  • ・輸出管理
  • ・オフショア委託先の評価と選定
  • ・発注書、職務定義、SOW、単金、評価
  • ・ドキュメント類(開発系、管理系、契約系)
  • ・可視化ツール
  • ・振り返り実績

ご利用の流れ

1経営陣や現場にオフショア開発アセスメントを希望する旨を伝える

経営陣や現場にオフショア開発アセスメントを希望する旨を伝えて、これまでのオフショア活用実績や改善活動、今後のオフショア活用方針が記された資料を用意します

2オフショア大學事務局に連絡して初回面談日を予約する

初回面談は最大2時間、無料で受けられます。
初回面談日の予約は電話でもお申し込みになれます(お問い合わせフォームにリンクする?)

3初回面談の当日

機密保持契約が結ばれていない初回面談では、詳細資料を開示していただかなくても結構です。もし、アセスメントを希望する項目が具体化されていれば、機密保持に留意しながらできるだけ詳しくお伝えください。
オフショア開発アセスメントを受ける流れ、想定されるアセスメント報告内容、アセスメント当日から完了までの作業項目について事務局から説明を受けます。
見積もりや支払い、契約などの諸手続きの方法を確認します。

4機密保持契約の締結

機密保持契約が締結したら、アセスメントに必要な資料を提供する環境を準備します。

5作業環境の整備

オフショア開発アセスメントを受けるための作業環境を整備します。社外持ち出し禁止の資料を扱う場合は、社内閲覧用PC等をご準備ください。

6アセスメント実施日時の調整

アセスメントを受ける利害関係者全員の都合を調整します。アセスメント実施の詳細プログラムを共有します。
海外オフショア委託先でのアセスメントを実施する場合は、別途出張スケジュールを調整します。

7アセスメント当日

当日は、アセスメント実施の30分前までにコンサルタントの入館手続を済ませて、資料や作業環境が揃っていることをご確認ください。事前案内された詳細プログラムに基づいて、アセスメントを実施します。

8アセスメント後、1週間以内

アセスメント報告書が送られます。現状分析に加えて、より効果的な課題解決の提案を受けます。

9アセスメント報告

オフショア大學コンサルタントから対面でアセスメント結果の報告を受けます。
オフショア大學では、お客様からご要望があった場合のみ、アセスメント後の改善支援活動を提案いたします。お客様からご要望がなければ、オフショア大學から営業アプローチをかけることはありません。
オフショア大學によるアセスメント後の継続的な改善支援は最長1年間となります。なぜなら、1年間できちんと成果を出して、2年目以降はお客様が自立的に改善活動を推進する仕組みを整えるからです。

お問い合わせ
オフショア大學事務局
e-mail
support@offshoringleaders.com
電話
045-471-8410